健康運動教室参加者の要支援・要介護認定と医療費の分析

2026年3月 第27回日本健康支援学会年次学術大会発表

諏訪雅貴 郡山女子大学(当時) 

 

1.背景・目的

 高齢化が進む日本において、要介護状態の予防や医療費負担の軽減につながる「健康寿命の延伸」が強く求められている。全国で高齢者向けの運動教室が開かれているが、その多くは6カ月程度の短期開催であり、長期間継続して参加した場合の介護予防や医療費抑制の効果は明確になっていなかった。

 福島県伊達市の委託事業として2020年度に始まった「健幸クラブ Fine」は、地域に実装化された期間設定のない自主継続型の運動教室であり、参加者の長期的データ(参加状況・要介護認定・医療費など)を紐付けて分析できる大きな特徴を持っている。

 そこで「健幸クラブ Fine」参加者の教室への参加状況と、その後の要支援・要介護認定状況の変化や、医療費との関連性を検証することとし、以下のような結果が得られた。

 

課題1 健幸クラブFineへの参加状況と、要支援・要介護認定の関係

 

 2020年度中の健幸クラブFineへの参加頻度と、2021~2023年度の新規の要支援・要介護認定または要支援・要介護レベルの上昇との関連性を確認した。

 女性では、月当たりの参加回数が1回多くなると、規の要支援・ 要介護認定やレベル上昇のリスクが14.2% 低下することがわかった(図1)。

課題2 健幸クラブFineへの参加状況と医療費の関係

 2021年度中の健幸クラブ Fineへの参加頻度と2022~2024年度の医療費の関係について確認した。そのうち、 3年間の医療費総額について以下のようになった。

 

 

 国民健康保険対象者の医療費総額の関連性を確認すると、男性では月当たりの参加回数が1回多くなると、3年間の医療費総額が 108,336円低下することがわかった(図2)。

 

 後期高齢者医療制度対象者の医療費総額の関連性を確認すると、男性では月当たりの参加回数が1回多くなると、3年間の医療費総額が133,486円低下することがわかった(図3)。

 また、女性では3年間の医療費総額が56,497円低下することがわかった(図4)。

 健幸クラブFineへの参加頻度が高いことと、医療費が少ないことには関連性が認められた。